- DrummerとFlex Pitch@Logic Pro X -
 ついに出ましたね。今ヴァージョンの目玉は、DrummerとFlex Pitchでしょうか。
 まず、インターフェイスについて。
・左右のパネルの幅
 もうちょっとスリムにできなかったのかなあ。特に右側はファット。
・トランスポート
 上部に移動となりました。マトリックスウィンドウを始めとするサブウィンドウは、従来通り下部なのでマウスでの行き来がちとめんどくなりました。

 それと、フォント(特に日本語)が大きすぎるので、見た目のバランスがイマイチ。サイズをカスタマイズできると良かったのになあ……。
 と、何だか初っぱなからディスってますが(笑)、これが新インターフェイスに対する僕の正直な印象です。
 さて次は、DrummerとFlex Pitch。んー、これらの機能についても、結果的にはディスることになってしまいます。そのつもりで読んでください。
・Drummer
 専用のトラックを追加することにより使用可能。
 追加が完了すると、アレンジウィンドウ上にリージョンが2つ生成されます。
 「名乗りを上げたドラマーが、解析されたMIDIデータを元に自らのセンスをフル発揮してくれる」 そんな過度な期待を抱いてました(笑)
 実際は、常にカイルさんが登場し、リズムパターンについても1リージョン目はHalf-pipe、2リージョン目はMixtape。セッションプレイヤーというならば、こちらの指示を待たずもっと自立してほしかった。
 ただし、リージョン毎にパターンを指定できる点は評価に値すると思いました。細分化させれば、オリジナリティを出せそうな感じです。
 面白かったのは「フィル」つまみ。右に回せば回すほど、オカズが長くなるという(笑) こういう感じで、通常のリズムパターンも趣向を凝らしてほしかったです。
 トータル的には「そうじゃなくて、もっとこう……」「いや、そこをもうちょっと……」などなど歯痒い感じ。んー、例え機械的になってしまっても、僕は自力で一から打ち込みたいです。
 ちなみに、どのサンプルも定位が遠いです。リバーブを切っても残響が含まれていたので、元々のサンプルがクローズではなくオフマイクのようです。
 まあ、その方が手っ取り早くオケに馴染ませられるわけですが、手っ取り遅くとも残響は自分で調整したい派なので(QLSO除く)、個人的には扱いづらい印象を否めませんでした。
・Flex Pitch
 まず、ピッチ補正に関しては申し分なし! これまでのPitch Correctionに比べれば雲泥の差。
 特にFormant Shiftは強力でした。これなら、もうMelodyneは不要か!? 
だがしかし!

 Melodyne的にノートを伸縮させようとすると……
 おわかりいただけただろうか? 前後のノートにまで影響を及ぼしてしまうのです。
 ノートを移動し、タイミングを調整しようとすると……
 おわかりいただけただろうか? 前後のノートにまで(ry
・ピッチ修正は可能でも、タイミング修正は厳しい。
・ハモらせたい場合は、別トラックを用意すれば何とか。
・が、まったく異なるメロディに作りかえることは至難の業。
・テンポチェンジに同期しない。
 と言うわけで、以上の点からMelodyneほどの自由度はありませんでした。んー、残念。
 前記したFormant Shiftについても、実は1音1音指定するとなると大変。その点についても、自動で機能してくれるMelodyneに軍配が上がるかと。
 まあ、ピッチ補正ツールとMelodyneを比較すること自体がナンセンスなのかもしれませんけど、長年のロジッカーとしては「Logicで完結できれば」と期待を抱きすぎてしまいました(苦笑) 両者の今後の進化に期待したいと思います。

7/20/2013

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